リツイートだけでも?
SNSでの投稿が名誉毀損になるケース

提供: 弁護士ドットコム

自分ではそんなつもりはなかったとしても、SNS上で人を傷つけるような投稿をすると、名誉毀損を理由に被害者から損害賠償を求められ、刑事罰を受ける可能性があります。限られた人しか見られない範囲での投稿であっても、リツイートしただけでも、名誉毀損にあたる可能性があります。どのようなケースなのか、弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答を元に解説します。

非公開アカウントでの投稿について

非公開アカウントでも名誉毀損になる可能性がありますか?

Q.相談者の質問

非公開のアカウントで、上司への愚痴や悪口などを投稿した場合、名誉毀損になるでしょうか?

A.伊東 貴弘 弁護士(2019年12月9日回答)

自分しか見ることのできない状態において記載する場合には、問題ないかと存じます。ただ、非公開アカウントとはいえ、フォロワーが複数いる場合にその上司の名誉を毀損するようなツイートをしたときには、名誉毀損の可能性がございますので、ご注意ください。

(補足説明)

人の社会的な評価を低下させるような事柄を、不特定多数の人が知ることができる状態にすることは名誉毀損にあたります。

自分以外の誰も見ることができなければ、名誉毀損になることはありません。一方、少数でも自分以外の人が閲覧できるアカウントからの投稿であれば、その特定の人から他の人へと広がる可能性があるため、名誉毀損にあたる可能性があります。

リツイートも名誉毀損にあたる?

リツイートも名誉毀損にあたりますか?

Q.相談者の質問

ツイッターに流れてきた人を中傷するようなツイートを面白半分でリツイートしてしまいました。中傷された方が、ツイートした人に対し、名誉毀損や営業妨害で被害届を出したことがわかったのですが、リツイートした私も名誉毀損などにあたるのでしょうか?

A.小沢 一仁 弁護士(2017年9月9日回答)

このような事例そのものが問題になった事例は知りませんが、人の名誉権を侵害するサイトへのリンクを貼る行為や、コピペ投稿についても名誉毀損は成立しますから、それとのバランスを考えると、名誉毀損は成立する可能性があると思います。

(補足説明)

弁護士が指摘した後に、実際に裁判で争われたケースが登場しました。2019年9月に判決が出た裁判で、原告は、リツイートにより名誉を傷つけられたとして、リツイートした人に対して損害賠償を求めました。大阪地方裁判所は33万円の支払いを命じる判決を下しました。

裁判所は、前後のツイートから、リツイートの意図が読み取れるような事情がない場合、リツイートは元のツイートを賛同する意思を示した表現行為であり、リツイートした人の発言・意見にあたると判断しました。

以下、少し難解ですが、判決文の該当部分を引用しておきます(大阪地裁2019年9月12日判決)

「本件投稿で引用された本件元ツイートの内容は、本件投稿の投稿者である被告による、本件元ツイートの内容に賛同する旨の意思を示す表現行為としての被告自身の発言ないし意見でもあると解するのが相当であり、被告は、本件投稿の行為主体として、その内容について責任を負うというべきである」

「何のコメントも付さないままリツイートするという本件投稿の態様からすれば、その情報提供には本件元ツイートの内容に賛同する被告の意思も併せて示されていると理解されるというべきである」

Q&Aまとめ

今回のQ&Aのポイントは以下になります。

  • 投稿の内容によっては、特定の人しか投稿を見ることができないアカウントでも名誉毀損にあたる可能性があります。
  • 自分が名誉毀損にあたる投稿をしていなくても、名誉毀損にあたる投稿をリツイートなどで広めた場合、名誉毀損にあたる可能性があります。

Q&Aは弁護士が回答した時点の情報です。ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。