日本でも広まるフェイクニュース
嘘を見抜くための方法とは

近年では、インターネットを使ってあらゆる情報を手に入れることが可能です。しかし、そこには虚偽や、あたかも事実のように書かれたフェイクニュースが入り混じっており、手にした情報が100%真実であるとは限りません。そのため、情報の出どころを調べたり、複数の情報を比較したりして、情報の信頼性を確認することが大切です。

ここでは、フェイクニュースの定義や問題点、実際の事例、騙されないためのポイントなどについて解説していきます。

フェイクニュースとは?その目的や問題点について

まずは、フェイクニュースの目的・分類・問題点についてご紹介します。

フェイクニュースとは

フェイクニュースとは、偽の情報やニュースのことで、インターネットやその他のメディア上で拡散される、一見本物や正しい情報にみえるが、実際は創作されたものや情報が正しくないものをさします。目立ちたいだけというものから、政治的な影響を与えることを目的としたり、自分の運営サイトに誘導して儲けることを目的としています。

正しい情報を誤解して受け取ってしまうケースや、自分に対して不都合な情報をフェイクニュースとして決めつけてしまうケースが見受けられます。しかし、これらはフェイクニュースには該当せず、フェイクニュースであるか否かは、受け手側の解釈は関係なく、「その情報が事実か、客観的に見て正しいか」という点をもって判断されることが一般的です。

ここでは、このように誤解されやすく広い定義をもつフェイクニュースについて、特にインターネットに関わる部分を中心に解説していきます。

フェイクニュースの目的

フェイクニュースの主な目的として、以下の3つが代表的なものとして挙げられます。

(1)「目立ちたい」という個人的なもの

「インターネットやSNSで目立ちたい!」といった欲求によるものが最も多いでしょう。近年では、SNSの普及で一般人の「注目されたい」という意欲が強まっており、「インスタ映え」や「いいね稼ぎ」などの言葉もその表れであると考えられます。

(2)特定の個人や企業の評判を落とすため

フェイクニュースは特定の個人や企業を陥れるために使用されることもあります。例えば、2019年に大手SNS運営企業のCEOが個人情報に関してあり得ない発言をしているディープフェイク動画(AIを使用して作成されたフェイク動画)が公開されました。これは当企業やCEO個人の評判を落とすために行われたと考えられます。

(3)政治思想の誘導

政治的には、自陣営に有利なフェイクニュースを拡散したり、逆に相手陣営に不利なフェイクニュースを流し、投票を操作する目的で使われることがあります。例えば、イギリスではEU離脱の是非を問う国民投票において、一部事実よりも誇張された数字が使用され、国民投票に大きな影響を与えたとされています。

こういったことから、偽情報を流してでも注目されたいと考える人が増え、センセーショナルで大げさなタイトルや内容のフェイクニュースが増加してしまうのです。

事例から考えるフェイクニュースの問題点 

では、フェイクニュースにはどのような問題があるのでしょうか。ここではいくつか事例をあげてご紹介します。

(1)金銭的な損害

2020年のコロナウイルス騒動では、「花こう岩がコロナウイルスに効く」という真偽不明なフェイクニュースによって、花こう岩が高値で取引されるという事態が発生しました。フェイクニュースを信じた人々は、フリマアプリで販売される「実際にはコロナウイルス対策にはならない花こう岩」を高額で買ってしまいました。

(2)健康被害

2016年には、医学的知見が必要とされるキュレーションサイトに誤った情報が大量に公開されていることが発覚しました。これは検索結果の上位に表示されており、多くの人に閲覧されているため大きな問題となりました。
これにより、閲覧した人がフェイクニュースをもとに薬を買ってしまったり、病院にいく必要がある人が病院に行かなくなるなどの行動を選択してしまうという問題が起きています。

(3)必要なものが手に入らなくなる

2020年のコロナウイルス騒動では、2月頃に「トイレットペーパーの生産地が打撃を受けているため、近いうちに品切れになる」というフェイクニュースが発生しました。これを信じた多くの人々がトイレットペーパーを買い占めてしまったため、町中で品不足に陥る事態が発生しました。

(4)政治思想の誘導

2016年のアメリカ大統領選挙では、特定の候補に有利なフェイクニュースが流され、投票行動に大きな影響が与えたと言われています。また、2017年イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票でもフェイクニュースが大きく影響を与えていると言われており、フェイクニュースによって誤った行動(本来であれば別の候補に投票していたかもしれない)が誘導される可能性があります。

このように、フェイクニュースはただの偽情報というだけでなく、人々の行動に損害を与える可能性のある危険なものです。また、フェイクニュースは簡単に生成可能なため、私たちは常にフェイクニュースの危険に晒されており、騙されないためにはしっかりと注意し見極める必要があります。

フェイクニュースに騙されないためにできること

誰でも手軽に情報発信ができる現在、真実の情報を見極めるためには慎重になることが大切です。ここでは、フェイクニュースに騙されないためのポイントを5つご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

(1)情報の出どころや内容を確認する

気になる情報を見つけた際は、記事の見出しだけで判断するのではなく、内容までしっかり読むようにしましょう。一部のニュース等では、読者の関心を引くために、実際の内容よりも誇張された見出しやタイトルを用いられていることがあります。ただし、先入観や固定概念を持った状態で記事を読んでしまうと、内容の誤りに気づくことができないため、中立的な立場で読むことが大切です。

また、記事の著者やメディア、情報の参照元などをチェックし、情報の信用性を自分で確認することも重要です。
SNS発信の情報であれば、平時より嘘や悪口が多いアカウントやフォロー数は多くてもフォロワー数が極端に少ないアカウント、アイコンがデフォルト画像のままになっているアカウントなどは、信頼性が低いと判断できる場合があります。

(2)少しでも違和感がある場合は疑う

タイトルや見出しに過剰な表現が含まれていたり、記事の内容がセンセーショナルだったりする場合は、集客や売上を目的とした記事である可能性が高いです。そのため、一度立ち止まり「信頼できる情報なのか」を冷静に考えるようにしましょう。

また、良いことしか書かれていない記事や、情報の出典元が記載されていないような記事も、信頼性が低いので要注意です。

(3)信頼できる情報を複数見比べる

気になる情報があった際は、新聞社のメディアや雑誌など信頼できる情報源と見比べてみるのもおすすめです。気になる情報が正確であれば信頼できる情報源にも同じような内容が書かれているはずですし、多少表現が異なったとしても内容が大きく食い違うようなことはないはずです。

また、SNS上で発信されている情報の場合は、同じような情報を発信しているアカウントがないか確認してください。自分と意見が異なる人のコメントなどをチェックしてみると良いでしょう。

(4)掲載しているサイトの評判をWEBで調べる

情報を掲載しているサイトの評判をチェックしてみましょう。インターネット上やSNSでメディア名を検索してみると、有名なフェイクニュースや信頼性の低いサイトとしてヒットする可能性もあります。

(5)不用意に拡散しない

フェイクニュース対策をするうえで、場合によっては、自分からの情報発信を控えるというのも効果的な手段です。フェイクニュースの可能性があるような情報は、過剰な表現、刺激的な言葉が含まれ拡散したくなるものが多い傾向にありますが、面白がって拡散することで被害がどんどん拡大してしまうため注意しましょう。

フェイクニュースは今後も増える!
情報の真偽は自分自身で見極めることが大切

今やインターネットの影響力は計りしれず、便利である反面、リスクが伴うことも事実です。インターネットの情報には虚偽や詐欺的な情報も多く、今回紹介した事例を始め、世界各国でさまざまな問題が発生しています。フェイクニュースに騙されないためにも、情報の出どころやメディアをしっかりと確認し、自分自身で情報の信頼性を見極めることが大切です。

このように、私たちの日常生活には皆さんが気づきにくいネットトラブルがたくさん潜んでいます。被害に遭った、不安があり悩んでいる、といった際はドコモの「ネットトラブルあんしんサポート」をぜひご活用ください。
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【監修】
(株)エルテス 新規事業室 チーフコンサルタント 池田 啓宏
東京大学経済学部卒業後、コンサルティングファーム、ベンチャーキャピタルを経てエルテスへ入社。
経営コンサルティング業務に長年携わっており、経営視点での課題抽出を得意とする。エルテスでは、ディープフェイク等の新たなテクノロジー・メディア普及の反動として生じるニューリスクに対する研究等を行っている