スマホ依存症とは?ならないためにできる対策を解説

日本国内でスマホ使用に関するアンケートをとると、かなり多くの人(約7割)が「スマートフォンにかなり依存している」や「やや依存している」といったスマホ依存症に自覚的な回答をすることがわかっています。

では、スマホ依存症とは、一体どのような症状や状態を意味するのでしょうか。また、育ち盛りのお子さまがスマホ依存症になった場合、大人とは違った問題が起こるものなのでしょうか。

今回は、最初に、スマホ依存症の定義や概要をわかりやすい事例を踏まえて紹介します。記事の後半では、お子さまがスマホ依存症になるリスクや予防のためにすぐできる対策についても解説します。

スマホ依存症とは?

スマホ依存症とは、常にスマートフォンをチェックし、操作していないと落ち着かなくなる状態の総称です。そもそも依存症とは、特定の物質の使用や行為が以下に悪影響をおよぼしているにもかかわらず、「やめたくても、やめられない」状態に陥ることを意味します。

・ 日常生活
・ 健康
・ 仕事
・ 大事な人間関係 など

スマホ依存症は、スマートフォンに心を奪われた本人が、自身をコントロール不能になることでもあります。日常生活で以下のような行動をしてしまう人は、スマホ依存症が疑われます。

食事中、トイレにもスマートフォンを持ち込む

スマホ依存症になると、常にスマートフォンのことが気になってしまいます。そのため、家族で囲む食卓にスマートフォンを持ち込み、無意識に操作をしながら食事をする「ながら食べ」を行うこともあります。

また、スマホ依存症がひどくなると、たった数分でも画面が見られないことを恐れるため、トイレやお風呂などにもスマートフォンを持ち込むようになります。

メッセージの返信がないと不安になる

スマホ依存症が疑われる人は、スマートフォンアプリでやりとりするメッセージや、それを送信するフォロワーなどの相手にも依存しがちです。

たとえば、自分が送ったメッセージに返信がないと、「何か悪いことを言っちゃったかな?」などの不安で仕事や勉強も手につかなくなります。また、人によっては「どうして返事をくれないの?」と相手に返信を催促しすぎて人間関係を壊してしまうこともあります。

外出中にスマホの充電が切れると不安になる

スマホ依存症になった場合、電源が入ったスマートフォンが、インターネットにつながり続ける状態の維持も非常に大切と考えます。そのため、外出先で電源が切れた場合、インターネット上の仲間やフォロワーとつながれなくなったストレスや不安で、以下のようなパニック症状を起こすこともあります。

・ 動悸
・ 冷や汗
・ 息切れ など

スマホ依存症になることのリスク

スマホ依存症を防ぐためには、長時間のスマートフォン使用や、頭のなかがスマートフォンのことでいっぱいになることで生じるリスクを知ることも大切です。

特にお子さまがスマホに依存すると……

近年では、小中高校生のスマートフォン所持率が高くなったことで、スマホ依存症による以下のような症状や問題を抱える子どもが非常に多くなりました。

・学力低下

スマホ依存症による学力低下のリスクは、さまざまな研究者も注目する大きな問題です。たとえば、学習中にスマートフォン操作をする「ながら勉強」をした場合、集中力の低下などから成績が大きく下がることがわかっています。また、友人とのトークが連日深夜まで続けば、学校の授業中に居眠りをすることで、学習効果も得られにくくなるでしょう。

このほかに、ある研究では、家で全く勉強をしない子どもであってもスマートフォンをいじらなければある程度の点数がとれるものの、スマートフォンを使い始めることでテストの点数が下がることが明らかになっています。これは、スマートフォンの使用によって、学習した記憶が脳から消えてしまうことから生じた結果だとされています。

・生活リズムの乱れ

食卓やトイレにスマートフォンを持ち込むほどの依存症になると、寝る時間になっても友人とのトークやSNS閲覧をなかなかやめられません。その結果、学校がない夏休みや土日祝日などは、深夜遅くまでスマートフォンを使い続けることで、昼夜逆転生活になる可能性もあります。

また、睡眠不足によって食欲がなくなれば、朝食を摂らないことで一日3食をきちんと食べるサイクルも乱れます。

・精神面への影響

スマホ依存症になると、以下のようなシーンで多くのイライラが生じやすくなります。

・ 食事中のスマートフォン使用で親に怒られた
・ 勉強しているのに成績が下がり続けている
・ 大好きな友人からメッセージ返信がない

イライラが増大すれば、先生や同級生の言葉や環境音といったさまざまなことに対して神経質になります。その結果、普段はいわないような厳しい指摘や言葉を使うことで、人間関係が悪くなる可能性もあるでしょう。そして、スマホ依存症による人間関係の悪化は、さらに日々のイライラを増大させ、本人を孤立させてしまうリスクがあるとされています。

スマホ依存でほかにもこんな体調不良が引き起こされることも

スマホ依存症には、以下のような体調不良や病気を招く特徴もあります。

・肩こり

首には、体重の約1割を占める頭を支える役割があります。その首を、スマートフォンの長時間使用によって前に倒し続けた場合、首の後ろの痛み、突っ張り、肩こりなどの症状が生じます。これらの不調は、スマートフォンを使うときの姿勢を変えたり、使用時間を減らしたりすることで改善する場合もあります。

・猫背

スマホの長時間使用で背筋や肩が丸まってしまうことを「スマホ猫背」や「スマホ巻き肩」と呼びます。スマホ猫背になる原因は、先述の肩こりと同様に頭ごと首を垂れる姿勢を長時間続けることです。また、スマートフォンの場合、下を向く角度が大きくなるため、悪い姿勢でパソコン使用を続けるよりも早く猫背になるとされています。

・うつ病

スマホ依存症から生じるストレスは、うつ病の大きな原因になります。また、うつ病などの病気は、生活習慣の乱れとも密接に関係しています。そのため、たとえば、深夜までのスマートフォン使用で睡眠時間が短くなると、結果として生活習慣の乱れや睡眠不足からくるさらなる精神不調やパニック発作なども起こしやすくなるでしょう。

スマホ依存にならないためにできる対策

スマホ依存症を防ぐには、以下の対策や工夫をするのがおすすめです。

長時間利用にならないよう時間制限を設ける

スマホ依存症を防ぐため、まずは「一日の使用は1.5時間まで」や「夜は21時まで」といった時間制限ルールを作りましょう。子どもの場合、親が一方的に時間を決めるのではなく、一緒に話し合ってルール作りをした方が本人も納得できます。また、話し合いの際には、ルールが必要な理由も教えてあげるといいでしょう。

時間の使い方を見直す

子どもの場合、以下のような「やるべきこと」を優先する時間の使い方を考えることも大切です。

・ 習いごと
・ 宿題
・ 明日の準備
・ 食事
・ 入浴
・ 睡眠

たとえば、帰宅後のトークでこれらの「やるべきこと」がおろそかになっている場合、夜はとりあえず早めに寝て、頭の冴えている朝からトークをする習慣に変えてみてもよいでしょう。

また、スマートフォンのブルーライトには、脳を覚醒させてしまう特徴もあるため、眠りの質を高めたり、日中のパフォーマンスを向上させたりするために、夜よりも朝メインの使用に変えることをおすすめします。

使い過ぎを防ぐアプリを入れる

ルールを決めてもなかなかスマートフォン使用がやめられないときには、使い過ぎを防ぐアプリを活用することもおすすめです。このタイプのアプリには、以下のようにさまざまな種類があります。

・ スマホ依存度の診断アプリ
・ スマホ使用時間の計測アプリ
・ ほかのアプリ操作を禁止してくれるアプリ

子どもの場合、スマートフォンを使わない時間が長いほど楽しめるゲーム感覚のアプリもおすすめです。たとえば、スマートフォンを使わない間にAmazonギフト券などに交換できるポイントが貯まったり、動物が育ったりするアプリを活用すれば、楽しみながら使用時間を減らせます。

まとめ

スマホ依存症とは、常にスマートフォンをチェックしてしまい、仕事中や学校などで操作できないときに、落ち着かなくなる状態の総称です。スマホ依存症になると、以下のような問題や症状が起こりやすくなります。

・ 食事中やトイレにもスマートフォンを持ち込む
・ メッセージの返信がないと不安になる
・ 外出中にスマートフォンの充電が切れると不安になる

スマホ依存症によって生活リズムの乱れや精神面への影響が考えられ、子どもの場合には学力低下なども引き起こされやすくなります。スマホ依存には、肩こりなどの身体的不調にも発展する問題もあります。自分や家族に「これはスマホ依存症では?」と思われる傾向がある場合は、当ページで紹介した対策を早めに実践した方がよいでしょう。